<タックスニュース>

政府特会改革法案提出へ  外貨準備金の民間運用可能に

 政府は15日から開会した臨時国会に、現在18ある特別会計(特会)を統廃合する特会改革法案を提出する。「外国為替資金特会」(外為特会)の運用効率を高めるため、信託銀行などの民間企業にも資金運用を委託できるよう法案に明記。公共事業費を扱う「社会資本整備事業特会」は廃止して般会計に組み入れるほか、農林水産関連の3特会を一つに統合する。
 特会改革は、「特会に埋蔵金がある」と主張した民主党政権時代に議論が進み、2012年3月に改革法案が国会に提出されたが、衆院解散で廃案になった。自民党政権になって民主党案をベースに、今年2月から行政改革推進会議で議論。同会議は6月、特別会計の事業のうち民間でできるものを移管することや、一般会計からの繰り入れに頼っている特別会計は一般会計化するなどの改革方針をまとめた。
 外為特会では、03年は約5000億ドルだった外貨準備高が、円高に対する介入でドルを買い続けた結果、現在は約1兆3000億ドル(約130兆円)に達している。現行法では、政府か日銀しか運用できないが、これをノウハウのある民間金融機関にも委託できるようにすることで、運用効率を高める。
 5勘定で構成する社会資本整備特会は、空港整備勘定を「自動車安全特会」に統合し、他の勘定は一般会計化。「農業共済再保険特会」「漁船再保険及び漁業共済保険特会」「食料安定供給特会」は食に関する特会として「食料安定供給特会」に統合する。
 6月の改革方針を元に各省庁が検討したが、結果的に民主党政権時代の方針をほぼ踏襲。一方、民主党政権下では、独立行政法人などに移管して廃止するとしていた「貿易保険特会」「森林保険特会」は、独法改革の議論が続いていることから引き続き検討を続ける。

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<タックスワンポイント>

タクシー券の処理  交通費とは限らない

 アベノミクス効果で日本の景気は回復傾向。多くの会社は活況を取り戻し、遅くまで残業するビジネスマンも増えてきた。深夜まで残業となると帰宅の足はタクシーとなるため、不況下にはまったく使わなかったタクシーチケットの利用を再開する会社も少なくないようだ。
 タクシーチケットは記述式のタイプが一般的で、利用者が精算時に乗車経路や料金などの必要事項をチケットに書き込み、運転手に渡す仕組み。タクシー会社から利用会社には、通常、月に一度請求書が送付され、振り込みや口座引落としで料金を支払う。会社としてはタクシー利用料金を後日一括で支払うことができるので管理上する上でとても便利なシステムだが、税務上の取り扱いには注意が必要。
 利用料金の支払いが一括だからといって、それをすべて「旅費・交通費」として損金処理すると、税務調査で否認される可能性もある。
 タクシーチケットの費目は、あくまで利用の実態に応じて処理するもの。例えば、取引先の接待に使ったのであれば「交際費」、社員が個人的な用事で使ったのであれば「給与」といった具合に利用目的により費目を変える必要があるのだ。
 また、他社が主催する懇親会に従業員や役員を出席させるためにタクシーを利用した場合は、あくまで会社の業務遂行上必要な費用であって、接待のために支出する費用でもないため、旅費・交通費として損金処理することができる。ただし、この場合は懇親会の費用を他社がすべて負担しており、本来相手が支払うべきタクシー代をやむなく負担したということが条件だ。


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