<タックスニュース>

消費税軽減税率  自公で攻防続く

 消費税率10%への引き上げ段階に食料品など生活必需品の税率を低くする軽減税率について、自民・公明両党の与党税制協議会で攻防が続いている。公明党が低所得者対策として外食と酒類を除く食料品全般と、新聞・書籍などの出版物に対して軽減税率を適用するように主張しているのに対し、自民党は税収減や事務負担の増大を理由に慎重姿勢を崩していない。
 自民党は11月27日の協議会に文書を提出し、多額の減収につながることから「具体的な財源の手当と対象品目の選定は国民の納得を得るプロセスが大事」と軽減税率の導入に慎重な立場を示した。これに対し、公明党の北側一雄副代表は終了後の記者会見で「当初から(低所得者対策で)財源は必要ということは認識しており、財源問題を理由に軽減税率が駄目ということは理解しにくい」と述べた。
 納税事務の点では、現在の企業が税込み価格をまとめて記載する請求書方式を取っており、公明党は適用税率ごとに取引額を分けて記載すれば現行の会計処理方法でも軽減税率の導入は可能としている。これに対し自民党は事業者の事務負担増加という点では、インボイス(商品ごとに税率や税額を記した送り状)を発行することと同じだと主張した。
 また、課税売上高が年間1000万円以下の小規模事業者は消費税納税の義務が免除されているが、消費者が負担した消費税額の一部が「益税」として事業者に残る可能性がある。公明党は免税制度維持のために、免税事業者が税率ごとの取引額を記載することを提案しているが、自民党は免税事業者がそのような請求書を発行することは、「益税」を制度的に認めることになり、消費税制度に対する信頼を失うとしている。

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<タックスワンポイント>

商品券が余った  在庫は資産計上

 「おもてなし」の心を大切にする日本では、日頃の感謝の気持ちを込めてモノを贈る習慣が根強く残っている。得意先への「お歳暮」しかり、「お年賀」しかり、普段のビジネスシーンにおける「謝礼」しかり――。
 商品券やビール券を大量に購入しておき、何かしてもらった時などに謝礼として渡すケースは少なくない。ところで、得意先などへの謝礼用として商品券やビール券を購入したものの、一度に大量に購入し過ぎて、期末の時点でかなりの数の在庫が残ってしまうケースもある。この場合、税務上の取り扱いには注意が必要。
 得意先等への配布済みの商品券の価額については、その配布の目的や内容に応じて、交際費や売上割戻しなどとして処理することとされている。
 そして、得意先等へ配布しきれず決算期末時点で手元に残ってしまった商品券については、一般的には資産計上扱い。中には「消耗品費として処理できないか」という考える経理マンもいるようだが、これは間違い。
 通常、「消耗品」として税務上の損金算入が認められているのは、事務用消耗品や作業用消耗品など一定のものに限られている。
 つまり、それ自体の取得価額が少額で、経常的に消費されており、購入についても一定数量を取得するものに限られるということ。
 商品券は、商品引き渡しなどの証券となる「商品引換券」に当たるため、消耗品費とはまったく性格の異なるものであり、消耗品と同様の税務処理は認められていない。

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