<タックスニュース>

甘利経済再生担当相  消費増税に向けた経済対策

 甘利明経済再生担当相は11月19日の閣僚懇談会で、来年4月の消費税増税に備えた経済対策となる5兆円程度の補正予算に盛り込む施策を提出するよう、各閣僚に指示した。主な柱は、競争力強化、高齢者・女性・若者向けの施策、復興・防災・安全対策—-で、消費増税による経済の落ち込みを抑えて来年後半から経済回復軌道に戻せるかが焦点。補正予算は12月中旬に閣議決定、来年度予算は下旬にまとまる見通しで、甘利氏の指示で予算編成作業が本格化する。
 財源には、昨年度一般会計1.3兆円、昨年度東日本大震災復興特別会計(復興特会)1.1兆円、今年度予算1兆円程度–の使い残しを活用するほか、今年度の税収増が2兆円以上見込まれることから、計5兆円程度を確保できる見通しだ。
 競争力強化策では、復興法人特別税廃止の恩恵が少ない中小企業向けに、設備投資や技術開発、資金繰りを支援する事業が中心になる見通し。雇用促進策では、非正規雇用の若者の雇用促進策や、子育て支援などの女性の働きやすい環境づくりが盛り込まれる。
 復興・防災対策は、2014年度概算要求の復興事業のうち緊急度の高いものを前倒し。今年度の復興予算の執行が遅れていることも踏まえ、一部を復興債償還に充てて財政健全化に役立てることも検討されている。
 公共事業は、20年の東京五輪開催に向けて交通網や流通ネットワークを強化するため東京や大阪などの環状道路整備を進めるほか、老朽化した交通インフラの改修費が盛り込まれ、総額1兆円前後となる見込み。
 甘利氏は19日の記者会見で、「新たな経済対策は、日本経済を成長軌道に早期に復帰させることが目的。一過性ではなく、民需主導の力強い成長を実現させるための未来への投資だ」と、消費増税後の経済回復への決意をにじませた。

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<タックスワンポイント>

ロゴマークの制作費  償却資産になる場合

 企業のブランド力を視覚的イメージで伝達するCI(コーポレートアイデンティティ)戦略が注目されている。中でも重要なのがロゴマーク。考え抜かれたロゴマークは、企業イメージ、購買意欲、連想力、記憶の埋め込みなどさまざまな要素を一般消費者や取引先に働きかける企業戦略ツールの一つだ。
 ところで、ロゴマークの制作にあたっては、その制作費用の税務上の取り扱いに注意が必要。例えばデザイン会社などに依頼した場合、ロゴマークの制作にかかったデザイン料は、支出の効果が1年以上に及ぶものであれば繰延資産として取り扱う必要がある。ただし、単なる「開発費」ということであれば随時償却が認められているため、支出した事業年度に全額損金算入することができる。
 また、業務上の信用や利益の保護を目的に、制作したロゴマークを商標登録するケースがあるが、この場合、そのロゴマークは税務上、「商標権」として取り扱う必要が出てくる。商標登録にもとづく商標権は、無形固定資産である工業所有権の一種。このため、その制作にかかったデザイン料は支出時の損金ではなく、商標権の取得価額としていったん資産計上し、耐用年数10年で償却していくことになる。
 一方、商標権として登録するための諸費用については任意の処理が認められている。商標権の取得価額に含めても構わないし、取得価額に算入せずに支出時の損金とすることも可能ということ。
 なお更新料については、更新登録のための諸費用は他から取得して登録するためのものではないため、支出時の損金算入が認められている。


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