<タックスニュース>

法人税率引き下げ  安倍首相「骨太の方針」への明記を指示

 法人税の実効税率の引き下げを巡り、安倍晋三首相は5月15日の経済財政諮問会議で「成長志向型の構造に変革していくための方向性を、年末を待たずに示してほしい」として、6月にまとめる「骨太の方針」で具体化するよう関係閣僚らに指示した。方針決定まで残り1カ月と迫る中、法人減税を巡る攻防は激しさを増している。
 会議では、伊藤元重東大大学院教授ら民間議員4人が「将来的には25%を目指しつつ、当面、数年以内に20%台への引き下げを目指すべきだ」と提言。減税分の代替財源については、2013年度と14年度の法人税収の上ぶれ分(予算額と決算額の差額分)を活用すべきと主張した。
 一方、麻生太郎副総理兼財務相は「税収の上ぶれ分を法人実効税率の引き下げに持っていかれると、(財政健全化の)目標達成がおぼつかなくなる」と反論。「上ぶれ分は消費税の軽減税率の財源に充ててほしいという声も出る」とけん制した。法人税と消費税をリンクさせるのは財務相としては異例の発言だが、実は同日午前の自民、公明両党の与党税制協議会で、公明が「財源なしに法人減税しながら、『財源がないから軽減税率はできない』というのは矛盾している」と指摘した経緯があった。
 これに対し、菅義偉官房長官は「アベノミクスの成果の何割を回せるのか、副総理に検討をお願いしたい」と、上ぶれ分の活用を改めて要請。骨太の方針では、減税の開始時期や下げ幅の具体化が焦点となるが、関係閣僚間でも意見の隔たりは大きく、調整はギリギリまでもつれる見通しだ。

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<タックスワンポイント>

財形貯蓄制度の非課税措置  育休時の特例拡充

 財形貯蓄制度とは、会社が社員の給与から毎月ある一定金額を天引きする任意の貯蓄システムだが、会社はその資金を運用することで、マイホーム取得時や子どもの学費、老後の資金、介護費用など、社員のさまざまなライフイベントで必要になる資金の支援を可能とする。
 財形貯蓄には、一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄の3種類あり、このうちの住宅貯蓄と年金貯蓄に関しては継続して5年以上の払い込みがあれば、元本550万円を上限として利子は非課税となるメリットがある。
 今回、平成26年度税制改正でこの非課税措置に関する見直しがされることになった。継続で払い込みをすることが条件となっているが、育児休業中は無給のため払い込みの中断が生じてしまう。その場合は、現行では最大2年間は中断期間が認められている。今回の改正では所定の手続きを踏めば育児休業の終了後の払い込み再開日まで中断期間を延長できることになった。平成27年4月1日以後の手続きから適用される。


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