<タックスニュース>

世帯あたり年間7万4千円  消費増税による負担増
 
 昨年4月の消費増税による家庭の負担増は昨年1年間で7万4221円にのぼることが日本生活協同組合連合会(日本生協連)の調べでわかった。
 生協組合員が1年間の家計簿を基に回答。家賃や学校教育費といった非課税取引を除いた消費支出をベースにして税額負担の推移がまとめられた。有効回答を寄せたのは608世帯。
 生協組合員1世帯あたりの26年の年間消費税額は24万893円。前年の16万6672円と比べて7万4221円も負担が増加したことになる。また、消費支出に占める消費税負担の割合は前年の3.65%から5.18%、収入に占める割合は前年の2.46%から3.6%へと大幅アップした。
 収入に占める税負担の割合を所得階層別にみると、各階層とも前年比で増えている。特に負担が大きく増えたのが、「収入400万円未満」の世帯の1.96ポイント増(3.48%→5.44%)。この調査で最も収入の高い層として設定した「収入1千万円以上」の世帯の1.02ポイント(1.92%→2.94%)とのひらきは大きいものだった。低所得世帯ほど負担率が高い傾向が鮮明となった。

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<タックスワンポイント>

2015年度税制改正  住宅購入意欲を喚起する見直し

 昨年4月の消費増税以降、駆け込み需要の反動減からの立ち直りは政府の予想を超えて遅れている。その影響は、消費税額が高額になる住宅購入でより顕著なものとなっている。2017年4月には10%への再増税が予定されているため、さらなる住宅需要の落ち込みも予想されるなか、政府は低迷する住宅購入需要を喚起するため、15年度税制改正で住宅に関連するさまざまなてこ入れを図る。
 その代表的なものが、マイホーム購入者の金利負担を軽減する「住宅ローン減税」の延長だ。同制度では、住宅ローンを組んで、居住用の住宅を取得すると、ローン残高か住宅の取得対価のいずれか少ないほうの金額の1%が、10年間にわたって所得税から控除される。また所得税から控除しきれない場合は住民税からも年13.65万円まで控除される。控除額は、耐震性や保存性に優れた長期優良住宅・低炭素住宅などは10年間で最大5千万円、それ以外の住宅は10年間で最大4千万円となっている。現行では17年末までの時限措置だったが、15年度税制改正では同制度を19年6月末まで1年半延長する。17年4月に行われる予定の消費再増税後の住宅需要の落ち込みに備える狙いだ。
 住宅ローン減税の恩恵を十分に享受できない低所得者層向けの施策としては、住宅を取得した人に一定金額を給付する「すまい給付金」があるが、こちらも現行は17年末までに引き渡されて入居完了した住宅が対象となっているところを、19年6月末まで1年半延長する。
 住宅購入意欲を刺激するため、一括贈与の非課税特例も拡充される。子や孫などへの住宅取得資金の一括贈与を、最大3000万円までを非課税とし、期限を19年6月末まで延長する。経済的な理由から住宅購入に踏み切れない若年層を後押ししたい思惑だ。
 ほかに住宅関連では、「空き家」にかかる固定資産税の特例が見直されそうだ。現行制度では、廃屋であろうと、家屋が建っている敷地は「住宅用地」と見なされ、敷地200㎡以下の住宅用地の課税標準額は更地(固定資産税評価額)の6分の1となる。国はこの制度が空き家放置の主因になっているとみて、15年度税制改正で、倒壊の危険性があるなど自治体が認定した「特定空き家」については、優遇措置の対象から除外する。再活用のあてがないなどの理由で空き家を放置してきた所有者にとっては、自治体に「特定空き家」だと指定されてしまうと固定資産税額が6倍に跳ね上がることになるので注意が必要だ。


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