<タックスニュース>

軽減税率3案を軸に与党協議再開  秋までに制度案取りまとめ

 自民、公明両党は5月下旬から、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入に向けた与党協議を再開する。対象品目について「酒類を除く飲食料品」「生鮮食品」「精米」の3案を軸に検討する。2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げに向け、今秋をめどに制度案の取りまとめを目指す。
 与党は昨年6月、軽減税率の適用を検討する飲食料品の分類案として「すべての飲食料品」から「精米のみ」までの8案を公表。自民党税制調査会が今年4月の幹部会で、このうち3案について比較的線引きがしやすいことなどから今後の検討の軸とする方針を決めた。
 財務省の試算によると、すべての飲食料品に軽減税率を適用すると、消費税率1%当たり6600億円の減収。3案の減収額は「酒を除く」が6300億円、「生鮮」が1800億円、「精米」が200億円と幅が大きい。
 自民党税調や財務省は軽減税率による税収減を懸念しており、対象品目を絞り込みたい考えだ。だが、「精米」のみに適用しても増税による負担増を緩和する低所得者対策としての効果が限られ、「誰にも評価されない」(財務省幹部)と消極論がある。「生鮮」を対象にする場合も「魚の干物は加工食品に該当するのか」など消費者に分かりやすい基準設定が課題だ。
 自民、公明両党は15年度の与党税制改正大綱に17年度からの軽減税率導入を目指す方針を明記しており、法整備などの準備期間を考慮すると今秋までに制度案を取りまとめる必要がある。ただ、導入に向けては対象品目だけでなく、複数税率に対応する事業者の経理処理のあり方など越えるべきハードルは多い。

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<タックスワンポイント>

人気のプレミアム商品券  97%の自治体が実施

 「プレミアム商品券」が話題だ。全国の自治体や商工会などが発行する、購入額に一定額のプレミア(上乗せ)がついた商品券のことをいう。自治体によって、20~30%のプレミアがつくことが多い。全国にある1788自治体のうち、97%にあたる1739自治体がプレミアム商品券を販売、もしくは今後販売を予定している。
 プレミアム商品券だけでなく、他の都道府県から観光に来てもらうことで地元の活性化につなげようとプレミアム宿泊券(旅行券)を販売する自治体もある。
1万円分の宿泊券が5千円で買える鳥取県の「プレミアム宿泊券とっとりでまっとるけん」は、わずか4分で販売予定数の1万4千枚が完売した。また徳島県が販売した宿泊施設に実質半額で宿泊できる「おどる宝島!とくしま旅行券」も販売開始から1日で、予定枚数の3万3千枚を完売している。
 人気が集中したことで抽選を行う場合もあるほか、完売して予定を前倒しで終了する自治体もある。
 今後も各自治体により順次販売が予定されているプレミアム商品券だが、利用が大型店舗に集中してしまい、地元の商店街をはじめとする地域経済の活性化にはつながらないとの批判がある。これについては、大型店に利用が集中しないよう使用場所を制限する動きも出てきている。
 滋賀県大津市のプレミアム商品券「おおつ光ルくんのお宝プレミアム商品券」では、1万2千円分の商品券のうち8千円分は大型店を含む登録店すべてで使用できるが、残りの4千円分は大型店以外の登録店のみに使用を制限するなど、各自治体でそれぞれの特色を生かした取り組みが進められている。

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