<タックスニュース>

経済財政諮問会議で民間議員が提案  「高所得者の基礎年金は半額に」

 5月19日に開かれた経済財政諮問会議で、高所得の高齢者が受け取る基礎年金を半額にすることを検討すべきとの提案があった。民間議員が提出した社会保障分野での歳出抑制案に盛り込まれていたもの。ほかにも、後期高齢者制度についても高所得者に対しては相応の負担を求めていくべきとしている。
 民間議員の提言は、2020年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)赤字を解消する政府の目標達成に向けて、歳入歳出の両面での具体的なメニューを提示したものだ。高所得者への負担増に加え、安価なジェネリック薬品の普及率を高めることや、公共施設を積極的に再利用していくことなどを提案した。
 歳入面では、配偶者控除など人的控除の抜本的な見直しとともに、「資産格差が次世代の機会格差につながるべきではない」として、富裕層高齢者に対する相続税や贈与税の強化を提案した。だが相続税、贈与税ともに15年の1月から最高税率が引き上げられたばかりで、さらに高所得者を狙い打ちにして負担増を強いる案には反発の声が大きそうだ。
 なお、現在の民間議員は、東大大学院の伊藤元重教授、日本総合研究所の高橋進理事長、サントリーホールディングスの新浪剛史社長、経団連会長で東レの榊原定征会長の4人。

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<タックスワンポイント>

「企業統治指針」ってなに?  上場企業で6月から適用

 企業が透明かつ公正な意思決定をするために守るべき行動規範として国が定めた「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」の運用が6月からスタートする。2015年3月に開催された金融庁と東京証券取引所の共同事務局による有識者会議で、東証に上場しているすべての企業が守るべき規則として導入が決まった。
 該当する上場企業には、独立性の高い社外取締役を2人以上置くこと、適切に情報を開示すること、女性の活用を促進することなどが求められる。
 「守るべき規則」といっても強制力や罰則はない。ただし、コードの原則として「コンプライ・オア・エクスプレイン(従うか、それとも説明するか)」とされているため、指針に従わない場合はその理由を株主に対して説明しなければならない。
 日本の企業のROE率(自己資本利益率)が低いことを受けてコード導入が決まった。ROE率とは株主から預かった資金を使ってどれだけ効率的に稼いだかを意味するもの。日本のROE率の平均は約8%で、欧米平均の15%と比べて大きな差がある。
 これはつまり、日本の企業は株主から預かった資金を使って効率的に経営ができていないことを意味する。改善の必要が生じたため、導入されることとなったわけだ。

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