<タックスニュース>

平成26年度もワースト  消費税の新規滞納3294億円

 国税庁が発表した平成26年度の国税滞納状況によると、消費税の新規発生滞納額が前年度比117・1%の3294億円であることが分かった。全税目の55・7%を占め、例年同様に税目別滞納額でワーストとなった。
 消費税以外の税目をみると、申告所得税1128億円(前年度比98・5%)、法人税674億円(同97・6%)、源泉所得税413億円(前年度比87・4%)、相続税363億円(同118・8%)、その他税目42億円(同86・3%)。消費税率が5%から8%に引き上げられたことが影響して消費税の新規滞納発生額が480億円増えたことで、全税目の新規発生額(5914億円)の前年度比を108%に押し上げた。平成9年度の消費増税時は翌年度にピークの消費税滞納が発生しており、今年度以降に滞納が増える可能性も考えられる。
 また、滞納者による自主的な納税や、差し押さえなどの強制執行で、滞納状況を完結した「整理済額」は前年度比98・8%の6681億円だった。
 国税滞納残高は前年度比6・7%減の1兆646億円で、ピークだった平成10年度(2兆8149億円)と比較すると全税目合計で38%にまで減少している。税目別では、源泉所得税が1877億円、申告所得税が3082億円、法人税が1267億円、相続税が917億円、消費税が3477億円だった。新規滞納発生額が前年度比で増加したものの、全税目で整理済額が新規発生滞納額を上回ったことで、結果として滞納残高を減少させることにつながった。

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<タックスワンポイント>

金融商品の課税方式統一  申告分離課税で税率20%に

 株式や投資信託、国債や社債などの金融商品の運用によって得た利益にかかる税金の仕組みが、来年1月から変更される。
 上場株式や株式を組み込んだ投資信託は、給与などの特定の所得と分けて税金を計算し、確定申告を行う「申告分離課税」で売買益や配当に課税されているが、個人向け国債や社債といった公社債の利子や公社債で運用する投資信託の分配金は「源泉分離課税」となっている。また公社債を償還前に売却して得た利益は非課税、償還時に出た利益は総合課税の雑所得となり、最大50%課税される。
 これらが来年1月から一律20%の申告課税制度に統一され、投資家の負担が軽減されることになった。これにより確定申告が必要になるが、株式や投資信託の取引を行うための「特定口座」を利用すれば、税額の計算や源泉徴収手続きを金融機関が代行する仕組みであることも覚えておきたい。特定口座は株式と投資信託が対象だったが、来年からは債券も加わることになる。
 また、変更されるのは税率だけではない。異なる金融商品同士で利益と損失を相殺し、課税対象金額を圧縮する「損益通算」の範囲も広がることになる。

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