Vol.0330
<タックスニュース>
軽減税率で中小企業に「みなし課税」導入へ 対象は売上高5千万円以下?
増税に合わせて導入が検討されている軽減税率をめぐり、与党は、実態にかかわらず一定の割合を軽減税率の対象とする「みなし課税」制度を導入する方向で検討に入った。経理を簡素化することで、複数税率導入にかかる事務負担を軽減する。
「みなし課税」制度とは、売上額や仕入額のうち、一定の割合を軽減税率の対象として一律で算出する方法。現在も課税売上高が5千万円以下の事業者を対象とした「みなし課税」制度があるが、新制度の対象となる事業者は、中小企業すべてという案と現行制度と同様に売上高5千万円以下の事業者に限定する案の2つがあり、今後、中小企業の実態などを踏まえながら検討を進めていく。
制度を導入する場合のみなし課税割合は、現行制度同様に、業種ごとに変えることになりそうだ。現在のみなし課税制度ではそれぞれ、卸売業が90%、小売業が80%、製造業などが70%、サービス業などが50%、不動産業が40%、その他が60%となっている。実際の売り上げや仕入れ額にかかわらず機械的に算出するため、実態よりも多く納めなければならなかったり、逆に手元に「益税」が残ったりすることもあり得る。
与党は軽減税率導入に絡み、商品ごとに税率や税額を記載した専用の伝票(インボイス)を使う方針で一致しているが、事業者の負担が過大となるため、数年間の経過措置を設けるとしていた。一定規模以下の事業者には「みなし課税」制度を適用し、大企業については別の簡素な経理方式を検討するという。
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<タックスワンポイント>
メタボでジム通い 医療費控除の対象になる!
メタボリックシンドロームは運動不足が主原因と言われている。メタボ解消のためにスポーツジムやフィットネスクラブに通いたいが、お金がかかってしまうことでジム通いに二の足を踏む人は思いのほか多い。
だが、ジムの利用料が医療費控除の対象になることを知ったら、その考えを改めるかもしれない。健康診断の結果、メタボと診断され、医師の処方箋に基づいて運動療法を実施すれば、ジムの利用料金を医療費控除として税務署に申告することができるのをご存じだろうか。
医療費控除を申請するまでの流れを見ていくことにする。
健康診断で高血圧症や高脂血症、糖尿病、虚血性心疾患などの疾病があると診断され、かかりつけの医師などから「運動療法処方箋」を書いてもらう。これは、「医師の指導に基づいて治療をします」という証明になるものだ。
そして、厚生労働省から指定された「指定運動療法施設」で処方箋に基づいて運動療法を実施する。運動療法ができる施設は「厚生労働大臣認定健康増進施設」として全国にあるフィットネスクラブや健康保険組合の施設などがあるが、医療費控除を受けられるのは指定運動療法施設のみであることを注意したい。
運動療法は、おおむね週1回以上の頻度で、8週間以上にわたって行われていることが条件となる。かかりつけの医師などから健康改善のためのアドバイスや経過観察を受け、「運動療法実施証明書」の確認を受け、確定申告書を提出するという運びになる。確定申告書提出時は、実施証明書と合わせて運動施設での利用料金の領収書も提出することも覚えておきたい。
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