<タックスニュース>

郵政民営化  限度額引き上げへ調整大詰め

 ゆうちょ銀行の預け入れ限度額とかんぽ生命保険の加入限度額の引き上げをめぐる調整が大詰めを迎えている。郵政民営化委員会は12月下旬にも、民営化のあり方に関する包括的な意見書をまとめる見通しだ。限度額引き上げは、利用者の利便性と資産規模拡大に伴うリスクの両面に配慮が不可欠な難しい判断だけに、委員会の示す判断に注目が集まっている。
 政府は2016年4月1日から、ゆうちょは500万円程度、かんぽも200万円程度それぞれ限度額を引き上げて、いずれも1500万円程度とする方向で、水面下の最終調整を進めている模様だ。
 ただ、限度額引き上げに対する金融庁のスタンスは複雑だ。ゆうちょ銀は200兆円を超す運用資産の約半分を国債で運用しており、金利が急上昇(国債価格が急落)した場合に大きな損失を抱えるリスクがある。そのため、単にさらなる資産規模の拡大を狙った引き上げには監督官庁として慎重姿勢だ。
 一方で、全国2万カ所の郵便局網を生かした地域金融機関との連携は支援する方針も掲げている。「我々の使命は金融機関を守ることよりも利用者のサービス向上だ」(金融庁幹部)として、庁内には自民党や総務省が主張する地方住民の利便性を高める目的での限度額引き上げに理解を示す声もある。
 だが、とりわけ小規模な地域金融機関には警戒心が根強い。資金需要が高まる年末を控え、金融庁が11月末に開いた中小企業の資金繰り支援に関する金融機関との意見交換会では、信用金庫と信用組合の業界団体から、ゆうちょ銀の限度額引き上げや新規業務拡大に対して慎重な対応を求める声が上がった。
 こうした声を踏まえ、郵政民営化委員会は近くまとめる意見書で、資産規模を過度に拡大しない範囲での引き上げにとどめるなど一定の条件を付すとみられる。

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<タックスワンポイント>

費用の9割が助成  介護用品を購入

 この国の介護にはお金がかかる。各家庭の事情によって、介護保険が適用されない介護サービスを利用せざるを得ないケースが出てくるからだ。状況によってはどれだけの費用がかかるかわからない。
 となれば、できる限り費用は抑えたいと誰もが考えるだろう。費用のなかでも削減が可能なのが介護用品だろう。種類によっては8~9割が自治体から助成されることがあるからだ。
 「福祉用具販売」として、(1)腰掛け便座(ポータブルトイレ、昇降機能付き便座など)、(2)自動排泄処理装置の交換可能部品、(3)入浴補助用具(イスや浴槽手すり、入浴台など)、(4)簡易浴槽、(5)移動用リフトのつり具部分―については購入費の8割~9割が助成される。支給金額は1年間で上限10万円が設定されている。
 介護保険の要介護認定の判定が「要支援1」以上の人が対象で、被保険者が費用を全額支払い、領収証など必要書類を添付して申請することで、助成分を自治体から振り込まれるという仕組みとなっている。
 介護保険を利用した福祉用具を購入する場合、都道府県の指定を受けた業者で購入しなければ、全額自己負担になってしまうので注意したい。またベッドや車イスなどについては、購入するのではなく、自治体が提供しているレンタル用品を利用して費用を抑えることも一考したい。

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