<タックスニュース>

どこまでが外食?  社員食堂は軽減に含まれず

 政府は2017年4月の消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率制度について、適用対象外となる「外食」の線引きルールを決めた。ルールにのっとり、学校給食は外食には含めず、軽減対象とする一方、社員食堂や学生食堂は通常のレストランなどと同様、対象から除外される。
 政府・与党は昨年末にまとめた税制改正大綱で、酒類と外食を除く食品全般に軽減税率を適用し、税率を現行の8%に据え置く方針を決めた。しかし、外食については、既存の法律に定義がなく、その線引きが課題となっていた。
線引きルールは2月から国会で審議入りする16年度税制改正関連法案に盛り込まれた。
 法案では、定義があいまいな「外食」の用語の使用を回避。そのうえで、食品が軽減税率の対象外となるケースについて、(1)飲食店業などを営む者が行う食事の提供、(2)客が指定した場所で行う加熱、調理または給仕などの役務を伴う飲食料品の提供――とした。
 (1)については注釈で「テーブルや椅子など飲食用の設備のある場所で飲食料品を飲食させる役務の提供」と補足説明し、「持ち帰り」は含まないと付記した。つまり持ち帰りには軽減税率が適用される。(2)についても例外となる軽減対象を挙げたが、法案で示されたのは老人ホームのみ。財務省は与党に対し「学校給食」も該当すると説明した。
 老人ホームや学校給食を軽減対象とした理由に関し、財務省は「生活を営む場所において他の形態で食事をとることが困難と考えられる」と説明している。社食や学食が対象外なのは弁当を持参したり、外出して食事したりすることも可能なためだ。
 法案では、老人ホーム以外の軽減対象について「生活を営む場所として政令で定める施設において行う政令で定める飲食料品の提供」と抽象的に表現された。「政令」は法案が成立する見通しの今春ごろに改めて出される予定。外食の線引きが紛らわしい事例は1千件を超えるとされており、線引きをめぐる論争は今後も続きそうだ。


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<タックスワンポイント>

確定申告シーズン到来!  損益通算をお忘れなく

 確定申告のシーズンがやってきた。確定申告期に自分の所得がはっきりする人は多い。
 ひと口に「所得」といっても10種類あり、それぞれ計算方法が異なる。人によっては「不動産所得は黒字だけど、事業所得は赤字」というように損益にばらつきが出るが、それに一喜一憂するのではなく、余計に税金を納めることのないよう、ひとつの所得の赤字をほかの所得の黒字と相殺できる「損益通算」をしておく必要がある。
 赤字が出たときに損益通算できるのは、(1)事業所得、(2)不動産所得、(3)総合課税の譲渡所得、(4)山林所得――の4種類。一定の順序で損益通算が可能となる。不動産所得の金額を計算したときに生じた損失額のうち、生活に通常必要とされない別荘などの資産の貸付に関する損失や、土地取得のための負債の利子相当額などは、損失がなかったとみなされてほかの所得からの控除はできない。
 所得金額の計算は暦年計算で、その年の損失金額は翌年以後の所得金額の計算に影響しないのが原則だ。しかし、例外的に損益通算した後の各所得の合計が赤字だったときに、翌年以後3年は赤字を繰り越して所得から差し引くことが認められている。白色申告では翌年以降の所得から控除できないので注意したい。
 繰越控除が利用できる損失には、損益通算後の所得合計が赤字だった「純損失」と、雑損控除が原因でその年の所得が赤字だった「雑損失」がある。これらが認められるためには損失用の確定申告書を期限内に提出し、損失が生じた年から毎年継続して確定申告する必要がある。

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