<タックスニュース>

大阪府が導入を決定  「宿泊税」が全国的トレンドに?

 ホテルや旅館の宿泊料に府独自の「宿泊税」を上乗せする条例案を、大阪府議会は3月24日に可決、成立した。宿泊税の導入は東京都に次いで全国2例目だ。外国人観光客の増加を税収につなげ、さらなる観光振興策に充てる目的で、早ければ来年からの導入を目指す。近年の海外観光客の増加を受け、府内のホテルは市街地を中心に年間を通してほぼ満室という状況が続いている。観光庁が公表した「宿泊旅行統計調査」によれば、15年の大阪府の旅館やビジネスホテル、シティホテルなどを合わせた稼働率は85・2%で、14・15年度と2年連続で全国1位となった。府が可決した宿泊税条例は、食事代などを除いた1人1泊の宿泊料金が1万円以上のときに100円、1万5千円以上なら200円、2万円以上なら300円の3段階の税率を宿泊客に課すものだ。総務大臣の承認を得て地方が独自に定める「法定外目的税」として、17年1月からの徴収を目指すという。新税で見込まれる税収を年間10億円と見込み、府はこれを外国語表示の看板設置や観光案内の強化に充てる方針だ。税負担を価格への転嫁という形で一手に引き受けることになる宿泊業界は反発を強めているが、増加する外国人観光客の受け入れに懸命な観光業界からは新税を歓迎する声が相次ぐ。訪日外国人観光客数は13年度に約1千万人だったが、15年度には2倍に近い1974万人を達成した。政府は東京五輪が開催される2020年までの目標としていた2千万人を早々に達成する見込みであることを受け、3月30日には「20年までに4千万人」という新たな目標を打ち出し、いっそう観光産業に力を入れていく方針を示した。倍々ゲームの勢いで増える海外観光客の対応に自治体が苦慮する一方で、02年に宿泊税を導入した東京都は15年度の税収が過去最高の21億円を突破した。今後さらに政府が外国人観光客の誘致に力を入れていくことを踏まえ、宿泊税の導入が今後の全国的なトレンドとなっていく可能性は高いだろう。

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<タックスワンポイント>

「1080万円(税込)」は損?  必要な収入印紙代が変わる

 契約書などに記載された金額が大きくなると、必要な収入印紙の額は大きくなる。消費税の課税事業者が課税取引をするにあたって、契約書(印紙税の課税文書)の消費税額の記載方法で印紙税額が異なることを知っておきたい。広告などの請負契約書に記されているのが「請負金額1080万円のうち消費税額80万円」や「請負金額1080万円、税抜価格1千万円」という記載なら、消費税額が明らかなので、印紙税額の判断基準になる「記載金額」は「1千万円」となる。一方、「請負金額1080万円、消費税額8%含む」や「請負金額1080万円(税込)」と記載したら、「消費税額が必ずしも明らかであるとは言えない」(国税当局)と判断されてしまい、記載金額は1080万円になる。現行法では、記載金額が1千万円のときの印紙税額は1万円、1080万円のときは2万円になっている。

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