<タックスニュース>

番号カード発行エラー  「ICチップのせいでした」

 全国的に続く個人番号カード発行システムの障害について、高市早苗総務相は4月5日、カードに内蔵されたICチップをめぐる不具合が原因であるとの見解を発表した。
 個人番号カードの発行については、制度を運営する地方共同法人「地方公共団体情報システム機構」(J-LIS)のシステム障害によって、事前に必要な暗証番号の登録ができないという事態が頻発していた。この影響で、4月3日までにされた961万通の申請に対して交付できたのは計約235万枚と、申請数の3割にも満たない状況となっており、全国の自治体から迅速なシステム改修や情報提供を求める要望が続出していた。
 高市氏によると、カードの暗証番号登録の処理作業中に通信が集中すると、市町村のサーバーに情報が到達する前に処理作業が中断してしまうことが分かったという。その場合、ICチップの情報は正常に更新されるものの、J-LISのカード管理システムデータに反映されず、エラーが出ることになる。エラーが出たカードはICチップが付かず、市町村側では再設定することができないため、J-LISでカードを再発行せざるを得なくなる。
 総務省は3月、システム障害が多発したことで中継サーバーを増設するなどの対処を行っていたが、改善には至らなかった。高市氏は今後エラーの原因を基にシステム改修を行い、まずは横浜市で運用を開始し、順次全国的に広げていく方針を示した。
 だが、障害が確認されてから原因究明まで3カ月という腰の重い対応に、窓口業務でしわ寄せを受けている自治体からは総務省に対する苛立ちと怒りが噴出しており、責任問題に発展する可能性もある。

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<タックスワンポイント>

「お薬手帳」がないと診療報酬アップ  4月から管理指導料に120円の差額

 調剤を受けるときに利用する「お薬手帳」を薬局に持参しなければ4月以降は診療報酬が高くなることをご存じだろうか。
 お薬手帳は、薬を処方された年月日や場所、薬の種類、量などを記録する手帳のこと。医師や薬剤師が手帳で最近の服薬状況を確認し、薬の飲み合わせに問題がないかなどをチェックする。元々は一部の医療機関や薬局のサービスとして行われていた取り組みが国の制度となり、診療報酬に組み込まれるようになった。
 薬局では薬代のほかに管理指導料が徴収されている。これまではお薬手帳に服薬の注意点を記したシールを貼るなどの対応をしたときの管理指導料は410円だったが、4月からは、6カ月以内に同じ薬局を利用したときに限り、指導料が380円になった(患者負担はその1~3割)。
 一方で、手帳を持っていない人が支払う管理指導料はこれまで340円で、手帳を持参する人よりも低い設定だったが、4月から500円に引き上げられた。手帳を持っているときと比べて120円高くなり、患者負担分に換算して数十円多めに払わなければいけないことになる。
 数カ月前と同じ薬局で手帳を出す人を優遇する国の狙いは、薬の一元管理をする「かかりつけ薬局」を決めてもらうことにあるという。


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