<タックスニュース>

個人用番号サイトは半年遅れに  マイナポータルにも暗雲

 マイナンバーに関する個人情報をインターネットから確認できる専用サイト「マイナポータル」の本格的な運用開始時期が予定より半年遅れの2017年7月になることが分かった。日本年金機構から個人情報が漏えいした問題への対応が17年1月には間に合わないことに加え、システム開発にも遅れが出ているという。
 マイナポータルは、インターネット上で自分のマイナンバーに関する情報を確認したり、行政手続きを行ったりできるシステムだ。専用サイトにアクセスすることで、(1)マイナンバーに紐付けられた自分の個人情報を、いつ、どこの行政機関が、何のために提供したかの確認、(2)マイナンバーに紐付けられた自分の個人情報の確認、(3)行政機関から提供される一人ひとりに合ったサービスや通知の確認――をすることができる。
 また政府は、将来的にマイナポータルを使ってさまざまな行政手続きの効率化を図る方針で、各種社会保険料の支払いや確定申告などを行う際に参考になる情報を表示することや、引っ越しや出産育児にかかる行政手続の一本化、電子納税なども視野に入れている。
 政府は、15年に日本年金機構がサイバー攻撃によって個人情報を漏えいしたことを受け、セキュリティー強化を指示した。その作業に時間がかかっているという。また行政機関の間で情報を連携するシステムの開発にも2~3カ月の遅れが出ている。これを受けて政府は、運用開始そのものを半年遅らせる方法と、1月に間に合う情報提供だけで限定的に運用を開始する方法の両面で検討を進めている模様だ。
 マイナンバー制度をめぐっては、運用開始前には番号通知カードの配達に遅れが発生し、開始後にはシステム障害などから個人番号カードの交付がストップするなど、さまざまな面で準備不足を露呈している。特定個人情報の取扱いに対する不安が大きいなか、マイナポータルにも暗雲が立ち込めている状況と言える。

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<タックスワンポイント>

得意先への売掛金が回収不能で貸し倒れ  取引停止後1年以上で損金に

 取引先の業績不振などの事情で貸付金や売掛金が回収できなくなったときは、税務上、貸倒損失として損金処理できる。
 貸し倒れ計上できる売掛金などの債権は、法人税法基本通達で定められている。
まず、会社更生法の適用で法的に債権が消滅したとき(法律上の貸し倒れ)は、その事実が生じた 事業年度の損金として処理できる。また、債務者の資産状況に鑑みて回収できないことが明らかであるとき(事実上の貸し倒れ)も、それが明確になった時点の事業年度での損金経理が可能だ。ただし、債権に担保物が設定されているときは、その担保を処分した後でなければ損金処理できない。
 そして、債務者の営業不振などが理由で1年以上取り引きが停止しているとき(形式上の貸し倒れ)もその売掛債権を損金計上できる。ただし、貸付金などの金銭債権は、この「形式上の貸し倒れ」の対象にはならない。
 中小企業庁がとりまとめた会社倒産状況によると、2016年1~3月期の倒産件数は2144件、負債総額は4663億円となっている。


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