<タックスニュース>

インボイス導入2年半延期  負け続けの財務省は敵前逃亡

 政府・与党は消費税率10%への引き上げを2年半延期するのに伴い、住宅ローン減税の終了時期や、商品ごとに異なる税率や税額を明記した請求書(インボイス)導入時期などの税制面の対応も2年半延期とする対応策をまとめた。秋に開かれる臨時国会に関連の改正法案を提出する。
 増税後の需要減に対応するのが狙いの住宅ローン減税の終了時期や祖父母が子や孫に住宅資金を援助した場合の贈与税の非課税枠の拡大時期を2年半後ろ倒しするのは「税制で狙っている効果を考えれば当然」(財務省)の判断だった。
 一方で軽減税率によって発生する複数税率でも的確な納税を促すためのインボイスの導入時期をめぐっては最後まで議論があった。インボイスの導入のためには、経理システムの変更などが必要となるため、もともと導入時期は2021年4月と、増税から4年の期間を設けていた。増税が19年10月に延期になったことで今から周知して準備すれば、4年半以上ある。仮に増税する19年10月から準備しても1年半ある計算になる。このため「準備はできる。予定通り導入できるのではないか」といった意見から「中小事業者にとってはやはり負担が大きい。2年半ずらすべき」との意見まであり、政府・与党で慎重に検討してきた。むしろ「2年半ずらして23年10月にすると、年末商戦の準備で忙しい企業に負担になる」(自民党幹部)といった懸念も出た。党税調内では、2年延期して23年4月の導入にすべきといった考えもあった。
 しかし「結局、財務省はまったく戦う気がなかった」と党幹部はこぼす。度重なる増税の延期に軽減税率の導入と負け戦ばかりが続く財務省は「こんなことで官邸と戦いたくない」と敵前逃亡。単純に2年半ずらすことにして納めた。幹部のお粗末な姿に中堅官僚も渋い顔。「年末に向けて所得税の大改革をすると意気込むが、この有様で大丈夫か」との声もある。

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<タックスワンポイント>

同居してなくても「生計を一」の要件を満たす!  生計支えていれば医療費控除可能

 親子間の金銭支出に関する税務では、「生計を一」がキーワードになることが多い。医療費控除や扶養控除といった特例はこの要件を満たすことで適用できる。
 この「生計を一」は、同じ家に住んでいる状態だけを指すのではない。子どもが就職などで親元を離れて暮らすときでも要件を満たすことがある。例えば田舎の親が病気で入院したときに、都会で独立している息子が入院費用を負担したケースで、遠方から親の生計の面倒を見ている状態ならば、息子は医療費控除を受けられる。生活費の送金が恒常的に行われているのであれば要件を満たす可能性が高い。一方、親が自身の貯金や年金で生計を立てているのであれば「生計を一」にしているとはいえない。

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