<タックスニュース>

インボイス制度の理解  経理マンでわずか3割

2023年10月に始まるインボイス制度(適格請求書等保存方式)について、「理解している」と答えた経理・財務担当者が3割にとどまっているとの調査結果を、クラウド会計ソフト開発のfreeeが公表した。
インボイス制度への理解度に自信のある担当者は、「深く理解している」(4.7%)、「理解している」(27.6 %)と合わせて32.3%だった。法人の規模別に見てみると、大企業では39.7%が理解しているが、中堅企業では33.1%、小規模企業では24.7%となっており、freeeは「インボイス制度で不利益を受けやすい小規模法人で理解が進んでいない」と問題視している。
インボイス制度について知っている内容を問う質問では、「インボイスを発行するには税務署への申請が必要」(47.3%)、「課税事業者のみインボイスを発行できる」(38.9%)など、インボイスを発行する売り手側の対応については一定の認知が進んでいるという。一方、「3万円未満の支払でもインボイスを保存しなければならない」(21.5%)、「免税事業者との取引について、仕入税額控除の経過措置が設けられている」(19.4%)など、インボイスを受け取る買い手側の対応については理解度が低い傾向が見られた。
調査は法人に勤めている経理・財務担当者490人を対象に実施したもの。

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<タックスワンポイント>

「おしどり贈与」を使わない方がよいケース  不動産取得税や免許税に注意

結婚して20年以上の夫婦間での住宅や住宅資金の贈与は、贈与税の年間控除枠の110万円に加え、別枠で2千万円までを課税対象から除外する特例を利用することが可能だ。この特例は、雌雄が常に一緒に過ごすとされるおしどりの名前から“おしどり贈与”とも呼ばれる。長期にわたって一緒にいるからといって必ずしも仲睦まじい関係を続けられているとは限らないが、税負担が減るのであれば税特例を活用したい。
ただ、制度を利用することでかえって支出が増えることもある。住宅の贈与の際に掛かる不動産取得税や登録免許税、専門家への報酬を合計すると何十万円もの支払いが生じることを踏まえたうえで制度を利用する必要がある。
まず、住宅を贈与で受けた人は名義変更の際には土地や住宅の固定資産税評価額の3%分の「不動産取得税」を支払わなければならないが、これに対して相続で住宅を受け取れば、不動産取得税はかからない。
さらに所有権の移転登記にかかる「登録免許税」は、贈与で住宅を受け取れば不動産の価格の2%だが、相続なら0.4%に下がる。いずれも相続より贈与で受け渡した方が高くつく。
このほかにも、贈与の際に税務申告や登記手続きの代理を税理士や司法書士に依頼し、その後に相続が発生した際にも再び専門家に依頼するとなると、贈与をせずに相続時だけに手続きの代理を依頼した人と比べて支払う報酬総額が割高になりやすい。
そもそもおしどり贈与の目的は生前に無税で贈与することで将来の相続税の負担を減らすことにあるが、夫婦間の相続では1億6千万円までの相続財産には相続税が課税されないため、生前贈与をしなくても相続税がゼロとなる可能性は十分あり得る。
ちなみにおしどり贈与は、同じ相手につき一度しか使えない。利用した後に離婚して別の相手と再婚をすれば適用が可能だが、さらに20年の歳月が必要となる。

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