<タックスニュース>

税金・社保「滞納倒産」  前年から急増3.4

 東京商工リサーチがまとめた「全国企業倒産件数(負債1千万円以上)」で、税金や社会保険料の滞納を苦に倒産する企業が、1年で3.4倍に急増していることが明らかとなった。コロナ禍の資金繰り支援として認められていた納税猶予が終了し、無利子無担保のゼロゼロ融資の返済が本格化していることが企業にとって負担となっている様子がうかがえる。
「税金滞納(社会保険料を含む)」が要因とされるケースは、2023年度に82件発生。前年の24件から急増した。14年度以降では、18年度の83件に次ぎ2番目の多さで、コロナ禍以降では最多を記録した。
 資本金別にみると「1千万円以上5千万円未満」が31件で、2年連続で前年度を上回った。構成比は約4割を占めた。「1百万円以上5百万円未満」が24件、「5百万円以上1千万円未満」が14件で、いずれも前年を上回った。「1億円以上」「5千万円以上1億円未満」も各4件あり、滞納倒産が大企業から中小・零細企業まで幅広く発生している。東商リサーチは「税金滞納倒産がさらに増加することが危惧される」としている。

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<タックスワンポイント>

中退共は短期離職者だと元本割れ  3年半以上で掛金上回り

中小企業を対象とした退職金準備制度「中小企業退職金共済制度(中退共)」は、短期間で離職する社員ほど受け取る金額が少なくなるので注意しなければならない。勤務期間が2年未満の社員が中退共から受け取れる退職金は掛金を下回ることになる。
 まず、掛金の納付期間が1年未満の人には退職金が支給されない。また1年以上2年未満の人も、退職金は支給されるが掛金相当額を下回る。2年から3年半の人でも、掛金と退職金の額は同額にとどまる。厚生労働省の調べでは、新規採用した社員の3割は3年以内に離職するというが、それに該当する人は〝元本割れ〟してしまうということになる。
 なお、中退共には費用の一部を国が助成する仕組みがある。新しく中退共に加入する事業主には、掛金月額の半額(従業員ごとの上限5千円)が加入後4カ月目から1年間、国から助成される。パートタイマーが掛金月額2千円~4千円で加入していれば、さらにそれぞれ300円~500円の助成金が上乗せされる。また加入済みの事業主も、掛金月額1万8千円以下の従業員の掛金を増額する際には、増額分の3分の1の金額を1年間受け取れる。

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