<タックスニュース>

税制上の年齢制限  民法改正に合わせ18歳へ

 政府・与党は2018年度の税制改正で、民法の成人年齢の引き下げに合わせて対応が必要な税制上の年齢要件の見直しについて議論を進める考えだ。少額投資非課税制度(NISA)など身近な制度にも影響が出ると見られる。
 政府は今年の通常国会で民法の成人年齢を現行の20歳から18歳へ引き下げる改正案を提出する見通しで、成立すれば3年程度の移行期間を経て実際に引き下げられる予定だ。これに関連して、税法で年齢要件が定められている場合には、民法改正に合わせて税制上の年齢要件を引き下げるかどうかの検討が必要になる。税制上の年齢要件について財務省は「対象者の行為能力や管理能力に着目して設けられているため、民法に合わせて18歳に引き下げることが基本」との考えで、18年度税制改正で議論を深める考えだ。
 具体的には年120万円の投資を上限に非課税とするNISAは現在20歳以上を対象としているが、改正に合わせて18歳以上に引き下げられる見通しだ。一方で子や孫の名義で口座を作り教育資金などに使うことを目的に税制面で優遇するジュニアNISAは現在19歳までが対象だが、改正に合わせて17歳までとなる公算が大きい。また、子や孫に住宅取得用の資金を贈与した場合に税負担軽減の対象となる子や孫は現行では20歳以上と定められているが、改正によって18歳以上になると思われる。
 成人年齢が18歳になると影響を受ける法律は税制を含め200本以上ある。法律で「成年」「未成年」という文言が用いられている場合は、特別な措置を講じない限り民法に連動して引き下がる。喫煙や飲酒などは法律で20歳未満は禁じているため、直接の影響はないものの、成人の定義が変わることで見直しの有無の議論が加速する可能性はある。

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<タックスワンポイント>

財形貯蓄の利子は非課税に  5年以上の預け入れが条件

 預貯金などの利子には20・315%の税率で所得税や復興特別所得税がかけられるが、「勤労者財産形成住宅貯蓄」の利子は非課税とする特例がある。
 勤労者財産形成住宅貯蓄は、社員の貯蓄や持ち家取得のために、会社が賃金から一定額を天引きして貯蓄していく制度をいう。5年以上定期的に預け入れることや住宅取得の頭金として使うことを条件に、元本550万円までの利子について所得税が非課税とされている。
 非課税制度の対象になるのは会社または個人事業主に雇用されている55歳未満の人に限られる。個人事業所得者の配偶者や親戚などで事業に従事している、いわゆる青色事業専従者は、労働基準法で労働者とされていないことから対象外となる。
 会社の役員は財形貯蓄を利用できないが、代表権または業務執行権がなく、工場長、部長として賃金を受けており、労働基準法で労働者となるのであれば、財形貯蓄を利用でき、非課税制度の対象になる。
 非課税制度の適用を受けるには、勤務先を通じて「財産形成非課税住宅貯蓄申告書」を税務署に事前に提出する。


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