<タックスニュース>

政府「出国税」導入を検討  1人1000円、日本人も対象

 政府は日本を出国する旅行客らを対象に、「出国税」として1人あたり1000円を徴収する方向で調整に入った。航空運賃などに上乗せする予定だという。与党税制調査会で調整を経たうえで、年末までにまとめる2018年度税制改正大綱に盛り込み、19年度からの実施を目指す。
 ただし、徴収したお金は、観光目的であれば観光庁以外の省庁でも使えることを想定しており、観光と関係の薄い施策に使途が際限なく広がることも否定できない。東日本大震災では復興財源の目的外利用が問題になっており、その二の舞にならないか、懸念されるところだ。
 また、導入によって旅行代金が上がることになることから、旅行業界からの反発も予想される。
 対象者は訪日外国人旅行者のほか、観光や仕事で出国する日本人を含むすべての出国者で、年間4000万人を想定している。16年の出国者数は訪日客が約2400万人、日本人が約1700万人の計約4100万人。1人1000円を徴収すると約410億円の税収が見込まれ、それを文化財や自然を生かした観光拠点整備などに充てる予定だ。観光庁の17年度予算は約210億円で、新税での徴収額は大きく上回ることになる。
 政府は東京五輪・パラリンピックが開催される20年に年4000万人、30年に年6000万人増やす目標を掲げている。20年までに文化財を核とする観光拠点を全国に200カ所整備する方針で、出国税の導入で得られる税収を財源に充てる予定だという。
 海外ではオーストラリアが出国旅客税として1人約5000円を徴収し、年800億円の税収を得ている。また韓国も出国納付金として約1000円を徴収し、約260億円を確保している。

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<タックスワンポイント>

おケイコの授業料、消費税非課税の高いハードル  6つの条件のクリアが必要

 おケイコ市場が相変わらず活況を呈している。趣味と実益を兼ねた「料理教室」や「英会話」、仕事に役立つ「ビジネス資格系講座」などが人気のようだ。
 こうした一般社会人向けカルチャースクールや学習塾の授業料は、一定の要件をクリアすることで消費税が非課税になる。
 一定要件とは、(1)修業年限が1年以上、(2)1年間の授業時間数が680時間以上、(3)教員数を含む施設などが生徒数からみて十分であること、(4)年2回を超えない一定の時期に授業が開始され、その終期が明確に決められている、(5)学年または学期ごとにその成績の評価が行われ、成績考査に関する表簿などに登載されている、(6)成績の評価に基づいて卒業証書または修了証書が授与されている――という6つだ。
 消費税は、商品の販売だけでなく、サービスの提供などあらゆる取引が課税対象だが、「学校」「専門学校」および「6要件をすべて満たす各種学校」での教育については、社会の政策的配慮により、授業料だけでなく入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明書などの手数料、検定済教科書などの教科用図書の譲渡が非課税となっている。
 ただし、非課税なのはあくまで前記のものだけで、補助教材などには課税される。企業では仕事で必要な資格を取らせるために従業員を学校に通わせるということがあるが、そのレベルだとほぼ課税扱いと考えていいだろう。

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