<タックスニュース>

軽減税率対策  レジ補助金の詐欺に注意!

 複数税率対応のためのレジ導入に最大200万円を受け取れる補助金を利用した詐欺が増えているとして、補助金事務局が注意を呼び掛けている。消費増税と軽減税率導入が予定される2019年10月に向けて、事業者の対応もいよいよ本格化してきているが、詐欺の電話にだまされないよう、注意を欠かさないようにしたい。
 軽減税率対策補助金事務局は5月22日、「注意喚起」とする文書をホームページ上に掲載した。それによれば、「最近、公的機関を装ってレジスター購入を持ち掛ける勧誘の事案が発生」しているという。事務局は、「公的機関がレジスター購入を持ち掛けることはあり得ません」として、不審な勧誘に惑わされないよう呼び掛けている。
 事案の詳細について事務局は触れていないが、九州北部税理士会が同25日にホームページに掲載したところによれば、(1)県の職員をかたって金銭の振り込み依頼してきた、(2)レジを含む200万円の高額商品を契約させられた――などの事案が実際に起きているようだ。九州北部会は「地域によって様々な手法を駆使してくることが想定されます」として、こちらも怪しい勧誘や不必要な設備取得の誘いに注意するよう求めている。
 同補助金は、補助金は8%と10%の2種類の消費税率に対応するため新たなレジやシステムを導入する企業をサポートするもので、最大200万円を支給するものだ。締切は19年9月30日で、この日までに新たなレジやシステムの導入を終え、その後、事後申請書を提出することが必要となる。補助金の申請受付そのものの締切は、19年12月16日までとなっている。
 補助される金額は導入にかかったコストの3分の2で、レジ1台当たり20万円上限、ただし導入するのが1台のみで費用が3万円未満であれば4分の3、タブレットなどの汎用端末であれば2分の1となる。また新たに商品マスタの設定や機器設置運搬などに費用がかかる時には、さらに1台あたり20万円を上乗せする。1事業者当たり200万円が上限となる。


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<タックスワンポイント>

相続した「鍵付き」の仮想通貨  引き出せなくても税金はかかる

 ビットコインへの投資でまとまった額の資産を形成したAさんが亡くなった。家族は、仮想通貨による利益にも税金がかけられることをニュースで知っていたため、Aさんが残していた帳簿などを基に、ビットコインの保有額も相続財産に含めて申告することにした。
 しかしここで問題が発生する。仮想通貨を動かすためには当然、インターネットから仮想通貨取引所上に設けられたAさんのアカウントにログインしなければならない。しかし家族の誰も、そのパスワードが分からないのだ。Aさんも予期せぬ突然の死だったためか、パスワードを書き残してはいなかった。パスワードが分からなくては口座にアクセスできず、仮想通貨を現金化することもできない。使うこともできない、現実にモノが存在するわけでもない仮想通貨、そんなものが相続税の対象となるのだろうか。
 ビットコインなどの仮想通貨に投資をする人は急激に増えている。不正なアクセスによる流出といった不安はあるものの、短期間で大きな値上がりが期待できることが理由だ。しかし「仮想通貨」という新しい概念だけに、これまでには考えられなかったような税金上の課題も生まれつつあるようだ。
 3月の国会で、国税庁の藤井健志次長は「パスワードの分からない仮想通貨は相続財産に含まれるのか」という質問に対して、「一般論である」と前置きした上で、「相続人がパスワードを知らない場合であっても、相続人は仮想通貨を承継することになるため、相続税の課税対象となる」と答弁した。その理由は、パスワードを知っているか知らないかの真偽は本人の頭の中にしかなく、課税当局としては確認しようがないため、除外はできかねるということらしい。
 仮想通貨ビジネスはまさに今育ちつつある業界なだけに、様々な面に未成熟な面がある。課税関係にしても、昨年秋に「雑所得に当たる」と国税庁が取り扱いを決めたばかり。細部に関しては官も民も手探りと言った状態だ。パスワード付きの仮想通貨の相続などは、その一例だろう。仮想通貨交換業者は、遺族の訴えに応じてパスワードを教えてくれるのか、それが法律上の家族ではなくても同じように対応してもらえるのか。そうした制度の整備は今後進んでいくことが予想されるが、当面は、遺言書に手書きで「ビットコインのパスワードはXXXX012345」などと添えておいたほうが残される家族のためには良いかもしれない。

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