Vol.0457
<タックスニュース>
補助金の活用経験 中小企業の3割どまり
信金中央金庫によると、国や都道府県等が実施している補助金や助成金制度を「利用したことがある」と回答した中小企業は31・4%にとどまることが分かった(有効回答数1万4225社)。信金は「(企業の)規模が大きいほど活用の割合が高い傾向にあった」と分析している。また活用した制度の内訳は、「雇用・人材・健康」が9・7%で最も高く、次いで「研究開発・設備投資」が9・3%と続いた。
一方で補助金などを利用しなかった企業は、「適当な補助金や助成金がない(26・2%)」、「知らない・関心がない(24・2%)」、「手間や費用がかかる、審査が厳しい(18・2%)」といった理由を挙げた。
公的機関等が主催するセミナーについては、「参加したことがある」が40・4%で、企業の規模が大きいほど参加の割合が高い傾向にあった。内訳は、「補助金活用(12・0%)」、「販路拡大・マーケティング(11・8%)」、「事業承継・相続・M&A支援(11・6%)」、「人材確保・育成(11・2%)」となった。業種別では、製造業で「補助金活用」、卸売業と小売業で「販路拡大・マーケティング」、不動産業で「事業承継・相続・M&A支援」、サービス業と建設業で「人材確保・育成」がそれぞれ最も高く、役立っているセミナーに差が出たようだ。
また専門家派遣や相談窓口を「利用したことがある」と回答した企業が26・3%だったが、その相談の中身は「税務・財務・会計」が11・7%で、「販路開拓・営業支援(8・8%)」、「人事・労務(6・1%)」より高かった。信金によると「ほぼすべての規模階層や業種で『税務・財務・会計』の回答割合が多い傾向にあった」としている。
支援制度を利用するための情報入手先については、「メインバンク(33・2%)」が最も多く、「商工会議所・商工会(19・8%)」、「公的機関(区市町村・中小機構等)(10・8%)」、「知人・同業者等(10・3%)」、「メインバンク以外の金融機関(10・3%)」と続き、税理士などが含まれる「各種専門家」は6・7%にとどまった。
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<タックスワンポイント>
相続で得た土地にかかる不動産取得税 原則非課税だが孫は例外
多数の土地を所有していた父親が、遺言書を残して亡くなったとする。遺言書には相続人である母親と息子に加えて、息子のさらに息子、つまり孫にも土地を与えると書いてあった。遺言書どおりに遺産は分割され、しばらくして役所から孫あての封筒が届いたので開けてみると、なんと相続で引き継いだ土地についての不動産取得税の納税通知書だった。同様に土地を相続した母親や息子には届いていないのに、なぜ孫だけ…?
これは不動産取得税のルールに理由がある。不動産収得税は、家屋の新築や増築、改築、土地や家屋の購入、贈与、交換などで、新たに不動産を取得した時に課される税金だ。しかし不動産を取得しても同税が課されない例外があり、それが相続によって得るケースだ。つまり母親や息子の元に納税通知書が届かなかったのは、この例外規定による。
それなら孫にはなぜ通知書が届いたのか。それは、この例外規定の対象となっているのが、民法上の「相続人」の不動産取得のみだからだ。相続人とはつまり、なくなった人の配偶者、子ども、親、祖父母、兄弟姉妹までで、孫は含まれない。さらに不動産取得税以外でも孫への遺産引き継ぎは、その父親がなくなっているケースを除いて、相続税の2割加算ルールが適用される。同じ相続による不動産取得でも、配偶者・子と孫では税負担に大きな違いが出てくるわけだ。
なお冒頭のケースでもし遺言書がなければ、税負担以前に、そもそも法定相続人でない孫に遺産を取得させること自体ができない。どうしても孫に土地を渡したければ、一度その父親が財産を受け取って、その後に生前贈与することになるが、相続税に加えて贈与税もかかることになってしまうため、お勧めはできない。特定の孫に財産を引き継ぎたいなら、ちゃんと遺言書を書いておくようにしたい。
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