<タックスニュース>

国税庁が軽減税率のマニュアル改訂  「細かすぎる」の声も

 国税庁は11月8日、2019年10月の消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率について、事例ごとに軽減税率の対象になるかどうかを解説したQ&A集の改訂版を公表した。コンビニエンスストアやスーパーなどの小売店が休憩用として通路脇に設置するベンチに「飲食禁止」といった明示をしていない場合、飲食スペースとみなす方針を明確化するなど内容を見直した。混乱防止を狙い、かなり細かい事例も取り上げているが、軽減税率の複雑さや分かりにくさが際立つ結果にもなった。
 軽減税率は、酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く制度。飲食料品は、持ち帰りには適用されるが、コンビニなどの店内にある飲食スペースで食べるためだと「外食」扱いになり対象外となる。
 ただ、コンビニやスーパーでは、飲食スペースがなくても、店内の通路や階段脇、店先に客の休憩用としてベンチを置いている店舗が多い。業界からこのベンチなどの取り扱いについて問い合わせが寄せられていた。
 そこで、国税庁は今回、店側が休憩用としていても飲食スペースにあたるというルールを明確化した。こうしたベンチで食べるために買う時は、外食とみなされ軽減税率の対象からは外れる。
 この他に取り上げられた事例は、ウォーターサーバーのレンタルについて、サーバーのレンタル料の税率は10%だが、中身の飲料水は8%と定めた。また、回転ずし店で、テーブルに回ってきたすしを客が食べきれず、パックに詰めて持ち帰るケースは10%としている。ある小売り業者は「細かい事例も、ないよりは良いが、全ての事例は網羅できずに限界がある。軽減税率への対応はやはり大変そうだ」と漏らし、ネットでは「ここまで細かい例を官僚が一生懸命考えているのは違和感がある」などとの感想も寄せられた。


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<タックスワンポイント>

高額納税者のふるさと納税  返礼品は50万円まで非課税?

 年末が近づき、今年の分のふるさと納税をどこに寄付するか迷っている人も多いかもしれない。高額納税者ともなれば控除対象となる寄付上限額も高く、それだけ多くの返礼品を受け取ることができるが、返礼品であってももらいすぎると税金がかかることを忘れてはいけない。
 ふるさと納税の返礼品は「一時所得」に当たり、所得税の対象だ。税金がかかる境界線はずばり50万円。受け取った返礼品の価値が50万円を超えるなら、所得税が課される。ただし50万円以下でも必ず非課税とは言い切れない。非課税になるのは、あくまで一時所得の総額が50万円以下の場合で、返礼品以外の収入があるなら、その分が加算されることになる。
 問題は、返礼品に値札が付いているわけではないので、いつ50万円を超えたかが分からないという点だ。こればかりは自治体に聞くしかないらしく、万が一にも国税に目を付けられたくないなら、50万円を超えそうだというタイミングで価格を問い合わせるしかない。
 そして、一時所得を計算する際には「その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額」を差し引けることとなっている。それでは返礼品を得るために要した「寄付金」は経費にならないのか。答えは残念ながらNOだ。寄付はあくまで寄付であり、返礼品の”代金”ではないということらしい。

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