<タックスニュース>

豊洲市場の移転コスト削減  一般会計に5500億円繰入

 東京都が豊洲市場(江東区)の移転にまつわる収支を見直した。人件費や施設の管理経費をカットして年間10億~20億円のコストを削減し、毎年21億円と見通していた赤字額を10億円まで縮小。旧築地市場(中央区)は特別会計で扱っていたが、都民の税金で捻出する一般会計に5500億円程度で繰り入れることにした。
 1月23日に開いた関係局長会議で決定した。豊洲市場は整備に6千億円以上かかっただけでなく、毎年続く赤字により、市場関係者の市場利用料でまかなう特別会計において大きな不安材料となっていた。特別会計が破綻すれば一般会計に移行せざるを得ず、結局は税金が充てられることになる。
 一方、19年度の税制改正大綱には地方法人課税の偏在を是正する措置が盛り込まれた。その影響は20年度から少しずつ発生して21年度には全体に及び、都の減収額は最終的に年間約8800億円に上るという試算が出た。このため都は新旧両方の市場について早期に扱い方を整理し、税政への負担を和らげることにした。ちなみに旧築地市場の移行とコスト削減により、都は特別会計が資金不足に陥る時期を49年度から69年度に先延ばしできるとみている。
 与党の税制改正大綱がまとまった昨年12月、小池百合子都知事は「将来に禍根を残す大いなる誤り」「地方分権は死んだといっても過言ではない」とひたすら憤っていた。しかし、都政の大きな懸案である市場問題の改善に生かすという一手を示し、都幹部からは「政治家の勘、嗅覚は衰えていないようだ」と評価する声が上がっている。

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<タックスワンポイント>

確定申告間近  申告しないリスクとデメリット

 確定申告は、フリーランスや2000万円以上の給与所得者のほか、副業で20万円以上ある人、年金の多い人、不動産収入がある人などが義務として課されている制度だ。実際の納税額よりも多く納めていれば申告によって還付されることもあるが、一方で還付が少ないときや新たに納税義務が発生しそうな人のなかには申告を行わない人もいる。
 そうした人の多くが「どうせバレない」という言葉を口にするが、税務署の目は節穴ではない。フリーランスなどであれば支払調書や相手先への調査で不備が浮上するし、そのほかの収入についても銀行の情報が当局に筒抜けである以上、不正がバレないわけがない。
 しかもバレたときのペナルティは、当然ながらまっとうな納税額以上になる。まず期限内に申告をしないことによる延滞税が納付期限から2カ月までは2・9%、それ以降は9・2%かかる(税率は年度によって変わる)。さらに無申告加算税は15~20%だ。
 さらに、無申告によって受けられなくなるサービスも出てくる。医療費控除や住宅ローン控除だけでなく、不動産物件の賃貸契約や各種ローン契約、さらに奨学金や児童手当でも収入の証明が必要になるため、こうした制度が利用できなくなる可能性もある。
 税金だけの問題ではなく、日常生活にも困ることになり、また自身の信用にもかかわる。「どうせバレない」の代償は極めて大きいものだ。

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