<タックスニュース>

国を出ていかないで!  ポーランドが若者の所得税を全額免除

 一定以下の所得の若者の所得税を全額免除するという思い切った税制改正を、ポーランド政府が8月1日行った。より良い労働条件を他国に求める若年層の流出に歯止めをかけるのが狙いで、免税の恩恵を受ける層は同国全土で200万人に上るとみられる。
 ポーランド政府が打ち出した「若者無税」法案は、7月4日の国会で成立し、8月1日に施行された。対象となるのは自営業者を除く26歳未満の就労者で、年間所得が8万5528ズロチ(約240万円)に満たなければ、税率18%の所得税が非課税となる。ポーランド人の年間平均給与は6万ズロチ(約171万円)のため、低所得者層だけでなく、多くの若者が非課税の対象となる。ポーランド政府によれば、制度が適用されて非課税となる若者は約200万人に上るという。
 ポーランドは2004年に欧州連合(EU)に加盟。就労ビザなどがなくてもEU域内のドイツやイギリスなどで働けるようになったことを受け、過去15年で約170万人がポーランドから国外に流出したという。モラウィエツキ首相は今回の税制改正について「西側に匹敵する機会を若者に与える」と述べ、「若者はポーランドにとどまるべきだ」と呼び掛けた。

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<タックスワンポイント>

高額な歯の詰め物も控除対象  お医者さんに要確認!

 歯の詰め物には金や銀の他にも、ジルコニアやセラミックなど高品質で見た目の美しいものが多く存在している。しかし高価な素材は原則として保険診療の対象にならず、全額が自己負担となってしまうのが難点だ。
 だが保険診療の対象とはならなくても、年間10万円を超えた医療費の超過分を所得から差し引ける「医療費控除」の対象にはなるかもしれない。医療費控除も保険診療も、「一般的に支出される水準を著しく超える治療費」は対象とならないと定められているものの、その境界線は必ずしも同じではないからだ。
 例えばポーセレンという陶材は、歯の詰め物や被せ物に使われる素材だが、これは保険診療にならず全額が自己負担となる。しかし医療費控除については「歯の治療材料として一般的に使用されていることから対象となる」ことが、国税庁のQ&Aで示されている。詰め物や義歯は一本数万円することも珍しくなく、医療費控除が使えるかどうかは大きな違いとなる。自由診療の対象だからといってあきらめず、歯医者さんに確認をするようにしたい。
 もっとも「高いものが良い」とは必ずしも言えないのが医療の世界だ。詰め物の素材には、それぞれ特色があり、人の持つ歯の悩みも様々。歯の状態や噛み合わせには個人差があり、人によっては詰め物に見た目よりも丈夫さが求められることもある。値段や税金にとらわれず、自分に最も合った素材を、信頼できる歯医者さんと相談の上で選ぶことが大事だ。そして何よりも、詰め物や義歯をしなくてもいいよう、日頃から丁寧な歯磨きを心掛けることが一番なのは言うまでもない。

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