<タックスニュース>

自民党政権公約  大胆な金融緩和をデフレ対策の主軸へ

 自民党は21日、衆院選に向けた政権公約を発表した。2%の物価上昇目標を掲げ、日銀による「大胆な金融緩和」を円高・デフレ対策の主軸に据えた。名目経済成長率は高めの「3%以上」の実現を約束し、全体としては、かつての安倍政権の上げ潮路線が復活した格好だ。ただ、「国土強靭化」の名の下、公共事業拡大など、古い自民党の経済政策との融合も見て取れる。
 2006~07年の安倍政権では、公共事業に頼った経済成長からの脱却を進めた小泉改革の流れを受け継ぎ、公共事業は減額されていた。金融緩和による高めの経済成長に、公務員給与削減や規制改革を組み合わせる上げ潮の基本方針を踏襲しつつも、旧来型政策の典型である公共事業の積み増しを狙うのが今回の大きな変化だ。金融緩和が効果を発揮するまでの1~2年間の景気を、即効性のある公共事業でつなぐという説明だが、安倍総裁が一時「建設国債は日銀に引き受けてもらう」と示唆したように、財源確保を度外視して、公共事業に走ろうとする姿は鮮明だ。
 国債の日銀引き受けは、財政破綻につながりかねない「禁じ手」であり、批判が高まったこともあって、安倍総裁はのちに発言を訂正したものの、政権公約には「日銀の国債管理政策への協調」と書き込み、なお日銀引き受けとも受け取れる文言を残した。日銀による金融緩和と公共事業拡大という、一見すると別種の政策が、建設国債の日銀引き受けによって一体としてつながりかねない。それだけに”ネオ上げ潮”が「財政危機の引き金になるかもしれない」と市場や政府関係者の間で警戒感が高まっている。

節税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ

<タックスワンポイント>

40%追加課税も!  恐るべき加算ルール

 ルールを守らなかった場合に罰を受けるのは税の世界も同じ。期限内申告をしなかったり、申告所得が実際より少なかったり、また、法定納期限までに税金を納付しなかったりした場合には、それなりのペナルティが待っている。法定納期限までに税金を納付しなかった場合には、本税に対して年14.6%(当初2カ月間は7.3%)の延滞税。
 期限内申告後の調査で過少申告を指摘された場合には、追加本税に対して10%の過少申告加算税。
 納付すべき税額があるのに期限内申告しなかった場合には、その納付税額に対して15%の無申告加算税。
 そして、加算税が課税されている場合で仮装隠ぺいの事実があった場合には、各加算税に代えて35~40%の重加算税の対象になってくる。
 ところで、ここでいう「仮装隠ぺい」は定義がしっかり決められている。
 ①いわゆる二重帳簿を作成していること、②帳簿書類を破棄または隠匿していること、③帳簿書類の改ざん、帳簿書類への虚偽記載、相手方との通謀による虚偽の証ひょう書類の作成、帳簿書類の意図的な集計違算その他の方法により仮装経理を行っていること、④書類の作成または帳簿書類への記録をせず、売り上げその他の収入を脱漏または棚卸資産の除外をしていること、⑤特定の損金算入または税額控除の要件とされる証明書その他の書類を改ざんしまたは虚偽の申請に基づき書類の交付を受けていること、⑥簿外資産にかかる利息収入、賃貸料収入等の果実を計上していないこと、⑦簿外資金をもって役員賞与その他の経費を支出していること―など。
 重加算税の負担は大きい。対象にならないよう念のため頭に入れておきたい。

相続、生前対策、事業承継のご相談は税理士法人早川・平会計までどうぞ

税理士法人早川・平会計