Vol.0241
<タックスニュース>
自民税調法人税の議論開始 実効税率引き下げは不透明
自民党税制調査会(野田毅会長)は6日、党本部で法人税に関する勉強会を開いて法人税に関する議論をスタートさせた。年末にかけて法人税の実効税率自民党税制調査会(野田毅会長)は6日、党本部で法人税に関する勉強会を開いて法人税に引き下げなどを検討するが、早期の引き下げに意欲を示す首相官邸側に対し、党税調や財務省は代替財源の確保なしの引き下げには慎重な立場で、年末に一定の結論を得ることができるかは不透明だ。
法人税の実効税率は現在35.64%で、東日本大震災の復興財源確保のために臨時増税し、14年度までは38.01%になっている。上乗せ分を1年前倒しして廃止することについて、党税調で年末に向けて議論するものの、事実上、廃止の方針は固まっているとされる。
野田会長は「今回の勉強会は秋の陣(10月の税制改正大綱)で書いた『速やかに検討を開始する』の役割を担っている」と、勉強会が安倍晋三首相の求める法人税の実効税率引き下げに向けた議論をする場との認識を強調。さらに「財政の帳尻合わせは財務省の役人がするのではない」とも述べ、代替財源のない減税論にクギを刺した。財務省は勉強会で、法人税の税負担率を説明。11年度の法人税率(国税部分)は30%だが、租税特別措置などで課税所得が控除され、実質的な税負担率は21.3%で諸外国に比べて高くないことを強調した。
党税調は、秋の税制改正大綱に「速やかに検討」の前提として、「(引き下げの場合は)政策減税の大幅な見直しなどによる課税ベース拡大や他税目での増収策による財源確保を図る必要がある」との文言を盛り込んだ。1%の引き下げで約4千億円の税収減になり、財源確保は容易ではないが、首相側は「速やかに検討」との表現で早期の引き下げに道が開いたとみており、両者の認識の違いで年末の協議がもめる可能性もある。
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<タックスワンポイント>
駆け込みで申告に注意 郵送なら消印日がカギ
確定申告シーンではe-Tax(国税電子申告納税システム)がすっかり浸透したが、法人税の申告を昔ながらの紙の申告書で提出している会社もまだまだ多い。法人税の申告期間は、事業年度終了の日の翌日から2カ月。余裕を持って準備しているつもりでも、日々の実務に追われ申告期限ギリギリに駆け込み申告する会社も少なくないようだ。
ところで、図らずも「駆け込み申告」になってしまった場合に気をつけたいのが提出期限の取り扱い。税務署に直接出向いて申告書を提出するのであれば問題ないのだが、郵送で税務署に送る場合には、消印日がいつになるかを確認しておく必要がある。
確定申告書の「提出日」は基本的に到達主義。つまり、申告書が税務署に到達した日を「提出日」と考えるということだ。このため、申告期限後に税務署に届いた申告書は原則として期限後申告ということになる。
ただし、郵送による申告書提出については特別な取り扱いがある。郵便物の通信日付、つまり消印日で判断するというものだ。消印の日付が申告期限日となっていれば、税務署への到達日が期限後であっても期限内申告扱いになるということ。ただしこれはあくまで郵便の場合の取り扱いで、宅配便を利用した場合は原則通り税務署への到着日が提出日となるので注意が必要。
ちなみに申告期限日が税務署の閉庁日に当たる場合、申告期限は休み明けにずれ込むことになる。例えば、申告期限日が土曜日の場合、前日の金曜日に前倒しになるのではなく、翌月曜日が申告期限になるということだ。とはいえ、いずれにせよ余裕をもって早目の申告・納税を心がけたい。
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