<タックスニュース>

政府税調配偶者控除 見直し着手  「伝統的家族観を損なう」と批判の声も

 専業主婦のいる世帯の税負担を軽減する「配偶者控除」をめぐり、政府税制調査会(首相の諮問機関)が見直し作業に着手した。5月中旬に小委員会を設け、集中的に議論する。労働力人口が減る中、女性の社会進出を後押しするのが狙いだが、自民党には「伝統的家族観を損なう」と慎重論も根強く、着地点は不透明だ。
 配偶者控除は、妻が家事・育児に専念する「内助の功」を評価する趣旨で1961年に導入された。妻の年収が103万円以下であれば本人に所得税がかからず、夫の所得税も軽減され、年収が103万円を超えても141万円未満までなら段階的に控除が認められる(配偶者特別控除)。1500万人が対象となっているが、控除の適用内で働こうとするため、女性の就労意欲を抑制しているとの批判がある。
 妻の年収が103万円を超えると、税負担で世帯の手取りがかえって減る「手取りの逆転現象」は、1987年の配偶者特別控除の導入で解消された。しかし企業が支給する配偶者手当は依然、103万円を基準としているところが多く、130万円を超えると妻自身に社会保険料などの負担が発生するなど「壁」はまだ残っている。
 安倍晋三首相は女性の就労の後押しに意欲的だが、自民党は昨年参院選の政策集でも「配偶者控除の維持」を掲げており、議論の難航は必至。制度上、妻の年収65万円~141万円未満の世帯が受けられる控除が、他の世帯より手厚くなっていることから、この部分を見直す「手直し」にとどまる可能性もある。


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<タックスワンポイント>

小規模事業者持続化補助金  広告費を一部補助 5/27〆切

 企業が新たな営業戦略を立てた後、営業ツールやホームページなどのリニューアルを通して宣伝活動を行うことがある。だが、社内に販促物の制作部署がない多くの小規模事業者の場合、チラシ1枚でさえ外注依頼ということでコストがかかる。先行投資といった宣伝費を現状の経営資産の中から捻出するのは簡単なことではない。そこで活用したいのが「小規模事業者持続化補助金」だ。
 小規模事業者を対象にした、新たに販路開拓に関する経費を一部補助する制度で、補助対象の経費の3分の2の金額が支給されるというもの。上限は50万円で、雇用を増加する事業であれば100万円が上限となる。メリットとしては、補助金を申請する過程において事業計画について商工会議所から指導や助言を受けることができる点も挙げられる。
 補助対象の経費は、機械装置等費や広報費のほか、旅費や開発費なども該当する。事業例は、販促物やチラシ作成の広告宣伝費、幅広い集客を目的として店舗をユニバーサルデザイン化する改造費、新規販路を開拓するための展示会の出展費――などで、「新たな販路開拓」を目的にしたものであればマーケティング調査や試作なども認められる。
 なお公募締め切りは5月27日までで、6月下旬に採択結果が通知される。

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