<タックスニュース>

与党税協 軽減税率ヒアリング  日税連・経団連は反対、飲食業界は賛成

 自民、公明両党の与党税制協議会は、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入に関し、関係団体のヒアリングを始めた。15日までに約30団体から意見を聴取。経済団体や小売業界などが「対象品目の線引きが困難」などとして慎重姿勢を示す一方、消費増税で販売の落ち込みを懸念する飲食料品の業界団体は導入を支持。賛否は割れている。
 与党税協は6月、軽減税率の対象について「すべての飲食料品」や「酒を除く」「生鮮食品のみ」など8通りの分類案を提示。税率が複数になった場合の経理方法も4案をまとめた。
 これに対し、経団連や日本税理士会連合会は「軽減税率を導入すれば税収が下がり社会保障の充実に影響する。(事業者の)事務処理の負担も大きい」と反対を表明。小売大手でつくる日本チェーンストア協会も「食料品や日用雑貨など1万種近い商品を扱っており、税率が複数になると大変な負担で間違いも起こる」と指摘し、全国消費者団体連絡会は「高所得者も恩恵を受けるのは問題」「どこで線引きをしても混乱する」とした。
 一方、全国農業協同組合中央会(JA全中)は「(農産物の)需要拡大を図りたい」として農産物への適用を要請。飲食料品の業界団体は軒並み軽減税率の導入を支持したが、軽減税率が適用される商品と標準税率の商品が混在すれば事業者も消費者も混乱しかねないとして、すべての飲食料品への適用を求める声が目立った。
 ただ、財務省は、すべての飲食料品を対象とした場合、税率1%当たり6600億円の減収になると試算している。自民党は財源確保の観点から対象品目を絞り込みたい考えで、年末の税制改正作業まで調整は難航しそうだ。

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<タックスワンポイント>

子ども版NISA創設へ  利用対象者は0歳~18歳

 政府は、少額投資非課税制度(NISA)について「子ども版NISA」を2016年に創設する方針だ。投資にあまりなじみのない親世代の投資促進を狙う。
 子ども版NISAは日本証券業協会などが創設を求めていたもので、今後は金融庁が年末の税制改正大綱に向けて与党と調整する。投資上限は現行の大人版と同じ100万円。祖父母や両親が孫や子どもの名義で投資すれば、子どもが受け取る配当や将来の売却益を非課税にする制度だ。利用対象者は0歳~18歳となる見通し。
 生前贈与は1人当たり年間110万円を超えると税金がかかるが、NISAも生前贈与の対象になり、この制約を受けることになる。NISA以外に贈与があり、年間110万円を超えた場合は贈与税がかかることになりそうだ。子ども版NISAは引き出し時の制限をかけるのが特徴だ。災害や両親の不慮の事故などを除いては、18歳までは原則として非課税では引き出せないようにする方針だ。金融庁の発表では、今年3月末時点で30歳以下の投資割合は全体の10・9%と、若年層の利用が低い実態が明らかになっており、政府は子ども版NISA創設で若年層の需要拡大につなげたい意向だ。加えて、1600兆円の個人金融資産の大半を持つ60歳以上の祖父母にも利用を促す。また、通常のNISAも拡大策が検討されている。非課税枠を現行の100万円から200万円~300万円に引き上げ、投資枠も現行の500万円から1000万円以上に拡大する案が浮上している。現在5年間の非課税期間も段階的に延長していく予定だ。

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