Vol.0323
<タックスニュース>
舛添都知事「東京都の金が盗み取られている」 偏在是正措置の撤廃を要求
東京都は9月15日、地方財源の偏在是正措置の撤廃などを求めた「共存共栄による日本全体の発展を目指して?地方税財政に関する東京都の主張?」とする文書をまとめ、公表した。同日に開いた記者会見で舛添要一都知事は、「東京から多額の財源が盗み取られている」と述べ、国の偏在是正策を強く批判した。
現在、地方の財源偏在を是正するための措置としては、法人事業税の一部を国税化して財源の足りない自治体に配分する地方法人特別税や、法人住民税の一部を国税化して地方交付税として配分する地方法人税などがある。平成26年度税制改正大綱では消費税10%時に、地方法人税を拡大し、地方法人特別税は撤廃するものの代替措置を検討するとしている。このことから、都は現在3600億円程度となっている年間の減収が、消費税10%時には最大5800億円にまで膨らむと試算。「応益性の原則を形骸化させ、地方自治体間の対立を生み出しかねないもの」として、全面撤廃を要求している。
また27年度税制改正で創設された、企業の地方移転に税優遇を設けた地方拠点税制を「東京を狙い撃ちにした制度」として、強く反発した。
都は国が行っている偏在是正措置は「地方が抱える巨額の財源不足の解決にはつながらない」として、課税自主権の拡大や国からの税源移譲といった、全体的な地方税財源の拡充で偏在是正を図るべきだと主張している。また東京と各地を結ぶ観光ルートの整備や、東京で全国物産展を開催し地方の魅力を発信するなど、地域間の結び付きを強化することで共存共栄の関係を構築していくべきだと提案した。
舛添都知事は会見で、「同じ志を持った自治体と連携しながら、不合理な偏在是正措置の撤廃、地方税財源の拡充を国に対して主張していきたい」と語り、国会議員などにも働きかけを行っていく方針を示した。
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<タックスワンポイント>
医療費負担を減らしたい! 高額医療・介護合算制度
65歳以上の人口が3000万人を突破した。そのうち約600万人が介護保険の要介護認定を受けている。高齢になると、医療費と介護費が同時期に必要になるため、高額で支払えないのではないかと心配する人も多い。だが、健康保険と介護保険を自己負担額が一定額を超えると還付を受けられる制度がある。
70歳以上の医療費の自己負担は1割だが、それでも重い病気などで治療が長引けば負担は大きくなる。そこで家計の負担を軽減できるように、一定額を超えると払い戻しを受けられる「高額医療費制度」がある。一般的な70歳?74歳の人なら月4万4000円、所得が月額28万円以上の人でも月8万少々の自己負担すむ。この制度では、病院でいったん高額の治療費を払い、後でお金が還ってくることになっているが、あらかじめ国民健康保険組合や健保組合の窓口で「限度額適用認定証」をもらっておくと、病院で自己負担限度額までを支払えばよく、高額のお金を準備する必要がない。
また、介護費でも「高額介護サービス費支給制度」がある。国の介護保険制度では、1カ月の自己負担額には所得に応じた限度額が設けられており、介護費が高額になると超過分を払い戻してもらえる。
さらに同一世帯のなかに、1年間に高額の医療費をかかった人と高額の介護費がかかった人がいれば、それらの合算に対して限度額を超えた分を還付してくれる「高額医療・高額介護合算療養費制度」があるのも覚えておきたい。この制度は同一人物でも還付が可能だ。例えば、70歳?74歳のいる一般世帯で年間56万円以上、高所得者(月額28万円以上)で年間67万円以上かかった分は還付される。一般世帯が1年間に医療費、介護費合わせて70万円かかったとすると、70万円?56万円で、14万円が還付されることになる。
<先週号の誤りについて>
9月18日にお送りいたしましたニュースの中で一部誤りがありましたので訂正をさせていただきます。
<タックスワンポイント> 家を建てるなら「認定住宅」 平成31年6月までが”お得”の2段落目に誤りがありました。
誤 「平成31年6月30日までは一般住宅では最大控除額は各年40万円で総額4000万円」
正 「平成31年6月30日までは一般住宅では最大控除額は各年40万円で総額400万円」
読者の方には大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。今後記事の内容には十分注意して参りますので引き続きよろしくお願いいたします。
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