<タックスニュース>

宝塚市が固定資産税を28年間過徴収  道路予定地の減額措置を適用忘れ

 兵庫県宝塚市は9月25日、都市計画で道路建設予定地となった市内の複数の土地について、1988年度から28年間にわたって固定資産税を過大に徴収していたことを明らかにした。過徴収額は、資料が残っている96年度からの20年間で約3200万円に上り、28年間ではおよそ3700万円に上るとみられる。同市は96年度以降分については返還する方針で、返還額は利息などを含めて計約4700万円になる見通しだ。
 過徴収されていたのは、市内の254件の土地。2015年度分だけで30万円近くを過大に徴収されていた土地所有者もいるという。
 同市では、道路建設予定地になると新たに建築物を作ることへの制限がかかるため、固定資産税評価額を最大で3割減額する措置が設けられている。しかし担当者が都市計画のチェックを怠ったため、都市計画で決定された約8千件の予定地のうち254件が措置を適用されていなかった。
 同市は地方税法や市の返還要項に基づき、96年度以降の20年分にあたる3200万円については全額の返還を行うとしている。しかし利息分の1500万円は税金から出されることになり、またもや行政の怠慢のツケを納税者が負担させられる形だ。さらに88年度~95年度の8年分について同市は「市の要項にないため返還できない」としており、土地所有者にとっては「取られ損」となった。

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<タックスワンポイント>

中小企業が受けられる”特典”  軽減税率、少額特例……

 資本金1億円以下の会社は「中小企業」としてさまざまな税優遇を受けられる。多くの中小企業は大企業と比べて資金力に乏しいのは事実であるのだから、少しでもその負担を減らすために”特典”が設けられているわけだ。
 法人税の軽減税率を適用できるのも中小企業の特典だ。各事業年度の所得金額のうち、800万円以下の部分の税率は15%(本則19%)に軽減される。また、中小企業は留保金課税が適用されない。
 原価償却資産に関する「少額特例」も中小企業だけに認められている。取得価額30万円未満の減価償却資産の全額即時損金算入が認められる制度で、比較的使い勝手の良い特例といえるだろう。
黒字・赤字にかかわらず課税される外形標準課税は、中小企業は対象外となる。
 税務上の欠損金を繰り越して翌年度以降の課税所得と相殺できる欠損金繰越控除制度でも中小企業には優遇措置がある。繰越控除をする事業年度の所得金額の80%までを控除できる制度だったが、平成27年度税制改正で27年4月1日~29年3月31日に開始する事業年度は65%に、29年4月1日以降は50%にまで引き下げられた。しかし中小企業にはこうした所得金額制限が設けられていない。
 給与支給額を増加させた企業がその増加額の1割を税額控除できる所得拡大促進税制や、雇用者数を増やした企業が増加雇用者数1人当たり40万円の税額控除が受けられる雇用促進税制も同様に、中小企業と大企業とでは区分けされており、中小は有利な取扱いとなっている。
 さらに、交際費の特例でも中小企業は大企業とは区別される。中小企業は飲食費の50%を損金算入できるほか、交際費の800万円までを損金に算入することもできる(選択適用)。

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