<タックスニュース>

ふじみ野市が固定資産税を過徴収  1億2千万円返還へ

 埼玉県ふじみ野市は11月24日、市内の土地100件近くで固定資産税や都市計画税の過徴収があったことを公表した。条例に基づいて過去20年間にわたり返還する予定で、返還額は還付加算金や国保税も含めて約3千万円になる見通し。全国で相次ぐ固定資産税の徴収ミスを受けて同市では市内の土地や家屋を全件調査しており、今回の過徴収が判明した時点で調査は2割しか終わっていないという。最終的な返還額は1億2千万円近くにも上る見込みだ。
 今回過徴収が判明したのは、市内の95件の土地。都市計画道路の予定地や高圧線下での評価額の減額措置を適用していなかった。計算ミスが何年前からあったかは明かされていないが、同市は条例に基づき、20年前の1996年分から過徴収額を返還する。返還額は利息に当たる還付加算金を含めて計2800万円。さらに固定資産税額をベースに資産割額が決まる国民健康保険税も計140万円が返還される。個人では350万円、法人では1350万円の還付を受ける土地所有者もいるという。
 固定資産税をめぐっては、数年前から自治体の計算ミスによる過徴収が全国的に相次いでいる。埼玉県新座市では過徴収により居宅を失う夫婦もおり、計8億円超の返還額となるなど、全国的な問題となっている。
 こうした状況を受け、ふじみ野市は2014年6月から自主的な調査を行い、すでに14年9月までに3件、約95万円の過徴収が発覚していた。15年度からは民間会社と提携して市内の土地4万4千件、家屋3万3千棟を対象に全件調査を始め、今回95件が新たに判明したことになる。しかし10月29日時点で調査はまだ2割程度しか終わっていない状態だ。16年8月の調査完了までに新たな過徴収が見つかるのは確実で、同市は来年度に200件、計1億1570万円ほどの返還額を見込んでいるという。

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<タックスワンポイント>

市販薬1万円以上購入で控除  厚労省が検討

 厚生労働省と財務省は、年間1万円以上の市販薬を購入したときに、1万円を超える部分を課税所得から控除する新制度の導入を検討している。早ければ年末にまとめる2016年度税制改正大綱に盛り込み、来年度中にも法案を提出する。
 現在ある医療費控除は、病院での受診料や薬の購入費用が年間10万円を超えたときに、超過部分が所得から控除されるものだ。しかし市販薬の購入費用だけでは10万円を超えることは難しく、病院に行く人のみが利用しやすい税優遇となっていた。
 厚労省は医療費控除とは別に市販薬のみを対象とした税優遇を設けることで、軽い症状の人に市販薬での治療を促し、医療費抑制を目指す。所得控除には限度額を設けるとともに、薬局から受け取る領収書などを添えての確定申告を義務付ける方針だ。対象となる市販薬の範囲については今後検討するとしている。
 制度が導入されれば、医療費控除に比べて手軽に所得控除が受けられるようになる。一方で、本来なら病院にかかるべきところを市販薬で”我慢”してしまうケースも想定される。また本来確定申告の不要なサラリーマン層からは手続きの煩雑さから利用を敬遠されることも考えられるなど、慎重な制度設計が必要とされそうだ。

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